ご挨拶

 我が国の福祉サービスは、これまで高齢者・障害者・子どもという対象者ごとのニーズに合わせて専門的サービスが提供され、福祉施策の充実・発展に大きく寄与してきました。しかし、対象者ごとの各制度の成熟化が進む一方で、人口減少や家族・地域社会の変容により、既存の縦割りシステムは限界に来ています。また、施設(特養等)の待機者数は、全国で約五十二万人、滋賀県で約七千人といわれています。特養の開設主体の規制を撤廃し、医療法人や株式会社等が社会福祉法人と対等の立場で参入できるよう検討が進められています。
 また、精神科の長期入院患者の退院促進を進めることや精神病床の機能強化の推進、更には増加し続ける認知症高齢者への対応は、国民的課題であり精神科医療の重要な役割です。
 今般、全国民参加型の社会を目指すニッポン一億総活躍社会づくりが進められる中、福祉もパラダイムを転換し、支え手側と受け手側に分かれるのではなく、地域のあらゆる住民が役割を持ち、相互に支え合いながら、自分らしく活躍できる地域コミュニティを育成し、自助・共助・互助・公助・近助という五助の精神の下、全世代全対象型地域包括支援体制や共生社会実現のまちづくりが進められています。
 青祥会は、社会福祉法人としての役割と使命を果たし、未来を切り拓いていく必要があると考えます。ピンチを逆に大きな前進ができるチャンスと捉え、坂道でも強く走れる体力と活力を付け、改革の本丸である社会福祉法人制度改革を進め、基本的な社会基盤の維持発展に尽力することが重要です。
 こうした中、セフィロト病院(認知症治療病棟・認知症疾患医療センター)・介護施設・在宅医療・在宅看護・介護等を保有する青祥会が、長期・中期ビジョンに則り、将来をしっかりと見据え、持てる力を最大限に発揮し、地域が求める事業展開が図れるよう、昨年度策定した活動(行動)計画(アクションプラン)を着実に推進して参ります。平成二十九年は、創立三十五周年に当たり更に飛躍する年として、次の五つの重点項目を掲げ、事業運営に積極的に取り組んで参りますので、皆様方の深いご理解とご協力、ご尽力をお願いいたします。

1. 医療・介護サービス向上の取組

 患者・利用者様に質の高いサービスを提供するため、医療と介護の連携と融合の取組みを進め、地域の誰もが安心して暮らせる地域包括ケアとしての「青祥会ケアシステム」の推進に努めます。また、湖北地域等においても認知症高齢者は増加の一途を辿っています。各施設とセフィロト病院の認知症治療病棟・認知症疾患医療センターは、専門職による医療・相談等の充実・機能強化に努め対応して参ります。

2. 地域貢献活動の取組

 法律や制度・市場原理では満たされないニーズに的確に対応し、地域から信頼される病院・施設を目指します。また、看護・介護実習生の積極的な受け入れと介護業務の魅力を発信するため、市内の小・中学校や高等学校への出前講座・出前授業を引続き実施します。社会福祉法人としての自覚を新たにし、高い公益性を保持し時代に即した事業経営・事業実践を推進して参ります。

3. 人材の確保・育成の取組

 人材の確保と育成は、最優先課題です。人口減少・超高齢化の到来という危機的な現実を見据え、法人の将来を考え・志向できる人材が育つ総合的な(仮称)人材研修センター構想を策定します。また、新人事制度の構築は、平成三十年四月の開始を目処に構築委員会を中心に進めて参ります。更には、働き方改革を進め全職員の七割を占める女性職員が、働きやすいワーク・ライフ・バランスのとれた職場環境づくりに努めます。

4. 組織強化の取組

 医療・介護・福祉に求められるニーズに対応するため、国・県・市等行政の方針を踏まえ、職員や幹部の責任・使命・役割に対する意識改革を進め強固で柔軟な組織の確立に努めます。また、在宅医療・在宅介護サービス提供の強化を図るため在宅部門の組織の設置を進めます。また、看護・介護記録電子化等のIT化を推進し、施設・事業所間の情報共有等が図られた環境づくりに努めます。

5. 経営基盤充実の取組

 社会福祉法人は、今、施設・事業所のあり方や社会福祉制度の基本的な仕組みまでの改革が求められています。法人の永続的な発展を図るため、経営組織のガバナンスの強化と事業運営の透明性の向上、また、財務規律の強化に努めるなど、社会福祉法人の制度改革を進めます。また、人事・給与システムの改善を図るとともに、引続き施設・設備の大規模改修を計画的に進めて参ります。

平成29(2017)年4月 
社会福祉法人 青祥会
理事長 畑下 嘉之

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